2019.03.22あかちゃんのこと
離乳食を食べない理由を考えよう ~その2~
健康に生活していると、当たり前すぎて
あまり実感することのない「口」の役割ですが
「お口がかかわるお仕事」は、なかなか多岐に渡っています。
①呼吸
②摂食・咀嚼・嚥下
~生命を維持する上で必要な機能~
③発語(発音・構音)
④情動の表出
~人間として社会生活を営むために必要な機能~
生きていく上で欠かせない「息をする」というお仕事。
口呼吸は弊害が多いのですが(これはまたのちほど・・・)
熱が出た時や運動する時など、代謝が亢進する時には必要になります。
また、あくびは呼吸の補助機能としての役目を持っています。
生きていく上で欠かせない「食べる」というお仕事。
「食べる」は、まず「これはどういう食べ物か」を認知することから始まって
食べ物を口に入れて、噛んで、舌で喉の奥から食道に送り込む一連の動作です。
途中、間違って気管や鼻に入らないように蓋をしながら
一時的に呼吸を止めるという技も繰り出さなければなりません。
無意識のうちに、からだのいくつもの部位がいろいろ協働しているのです。
歯の役割や、味覚・温痛覚も大変重要です。
コミュニケーションの手段としての会話や表情など
ヒトは、言葉や表情で感情を伝え、コミュニケーションをとっています。
口腔とその周りにある頬、顎、首の筋肉等が関連して表情を作ります。
声帯が振動し、歯・顎・骨・口唇・舌の形態や機能によって声が作られます。
会話を楽しんだり、食生活を楽しんだり、歌を歌ったり、楽器の演奏をしたり。
「お口」は、豊かな社会生活を送るためにも欠かせないのです。
赤ちゃんの『顎』の発達は、胎児期や授乳期から始まっています。
早い時期から、口の機能の発達を促す取り組みが必要になります。
どんな「食べ物」を食べさせるか・・・というだけでなく
正しい「飲み方」「食べ方」ができるように育てることが大切です。
では、正しい「飲み方」「食べ方」が出来るためには何が必要なのでしょうか。
歯科医師が下記のようにおっしゃっています。
「歯並びや歯を支えている骨の形態を治そうとすれば
まず歯の矯正をするよりも、口唇の筋肉を鍛えたり
舌の正しい位置覚えてもらったりすることの方がむしろ先決である場合が多い。
硬組織(歯・骨)と軟組織(口唇・舌)には密接な関連性がある。
お子さんの不正な歯並びが
後天的な要因(口呼吸、舌癖、異常嚥下)よって引き起こされ場合も多い」
さてさて、ここで質問です。
からだに正しい姿勢(楽に感じる姿勢と正しい姿勢は違います)があるように
舌にも正しい姿勢(位置)があるのをご存知でしたか?
今、あなたの舌はお口の中のどの場所にあるでしょうか。
●上下の唇は軽く閉じている(お口ポカンはダメ)
●上下の歯は1~2mm程度離れている(噛みしめないことが大切)
●舌(ベロ)の先は上の前歯の後ろの歯ぐきに当たっている
●舌(ベロ)全体は上顎に吸盤のように張り付いている
よくわからないときは、つばを飲み込んでみてください。
つばを「ゴクン」と飲み込んだ直後の口の状態は
このようなポジションになっていることがほとんどです。
次回は
「舌が正しい位置にない場合、どんな困りごとが起こるのか」
「どうすれば、舌を正しい位置に置くことが出来るのか」
について、みていきましょう。