2018.06.28プロフェッショナル
プロのお仕事~伝統工芸士さん~
今年で100回目を迎える
全国高校野球選手権大会。
優勝校に授与される
「深紅の大優勝旗」が新調され
27日に阪神甲子園球場で
お披露目されたそうです。
大優勝旗は今回で3代目。
初代は1915年。
2代目は1958年の第40回記念大会。
第100回を機に、3代目が作られました。
デザインは初代、2代目と同じ。
深紅に染められた正絹糸と金糸で
「ハトと月桂樹」
「優勝」
「VICTORIBUS PALMAE」
(ラテン語で、勝者に栄光あれ)
などの絵柄や文字が、手作業で織り上げられます。
制作費用は、約1200万円
制作を担当したのは
京都の老舗「平岡旗製造」
昨年4月から
1年2ヶ月かけて制作されたそうです。
深紅の色を決める「糸染め」から始まり
西陣織の最高級品
「つづれ織り」の技術で織られた優勝旗。
その、織りを一人で担当したのが
西陣織23年のベテラン伝統工芸士・池谷広美さん。
左から2人目の方
旗の部分のみで
縦90センチ横270センチと
特大の優勝旗ですが
繊細な絵柄の部分では
1日で1センチしか進まない日もあったそうです。
すべてが織り上がるまでは
仕上がりを確認することが出来ないらしく
とても緊張しながら織り上げられたとか・・・。
伝統工芸士は国家資格で
試験を受けるには
「12年以上の実務経験があり
その産地に居住していないといけない」
という条件があります。
なかなか厳しい
日本では伝統工芸の衰退が問題になっていて
担い手不足が大きな原因のようです。
百均を代表とする安い商品が浸透しています。
正直、安いのは大変ありがたいことです。
でも、伝統工芸品に限らず
高い技術・技能が必要で、時間と労力のかかる商品は
それなりの価格なのですから
「壊れたら捨てて、また買えばいい」を前提に
大量生産の安いものばかり購入していけば
日本の職人さんは食べていけないから
跡継ぎもどんどん減っていきますね。
(それでなくても少子高齢化)
「どうせ安かったし・・・」
と思うと、扱いも雑になりますし
愛着も湧きにくいものです。
限りある資源。
「モッタイナイ」文化をもう一度見直し
ちょっと高くても
日本製の品質の良いものを購入して
丁寧に長く使うことを心がけるのも
職人さんや伝統文化を守ることになりますね。