2019.02.04本のはなし
読書のススメ
ほぼ5年ぶりに、元同僚たちと、ご飯を食べに行きました。
そこで話題になったのが
「なかなか本を読み続けられない」
という、同年代あるあるの残念な近況
「読書が趣味」というと、当たり障りのない定番フレーズみたいですが
幼い頃から本が好きで、学生時代の唯一の趣味が「読書」でした。
今のようにスマホもパソコンもない時代、図書館や本屋が私のパラダイス。
視力検査で「2.0」を誇っていた私は
メガネともコンタクトレンズとも無縁でしたから
好きなだけ本を読むことが出来ました。
休みの日には、読みたい本を数冊、手元に置いて
ひたすら読書に没頭するのが、何よりの楽しみでした。
ところが、視力の良いぶん、老眼になるのも早かった。
メガネをかけるとすごーく疲れることも良くわかりました。
眼が悪くなる
集中力がなくなる(体力が落ちるからでしょう)
疲れやすい(回復力が落ちるからでしょう)
なんて負のループで、面白い本なのに、読み続けることが出来ません。
インドアだけど、読書も体力が要るんですね。
さて、ここからは、おススメの本の話です。
昔から、医師作家の小説は好きでした。
山田風太郎さん、北杜夫さん、渡辺淳一さん、帚木蓬生さん、海堂尊さんなどなど。
もちろん、医師といっても、テーマが医療関係ばかりではありませんが
職業柄もあるのか、やはり医療がテーマの小説には惹かれます。
数年前に読んで非常に面白かったのは、久坂部羊さんの『廃用身』
読み始めてしばらくは、フィクションとは思わず
医療ドキュメンタリーだと信じていて(それくらい上手い)
「へえ~。知らん間に、こんな治療法が出来てたのか~(@_@)」
なんて、自分の無知を反省したくらいです。
医師作家ではないけれど
何度も映像化されている山崎豊子さんの『白い巨塔』
これは、本当にすごい本です。
何度読み返したかわかりません。
1963年~1965年の連載なので、ずいぶん昔の時代の小説ですから
飛躍的に進歩した現代医療からみると古い内容ですけれど
そんなことは全く気にならないほど素晴らしい本です。
もちろん、私は映画も大好きです。
映像化されて、違う魅力が溢れるものもありますが
まずは、自分のオリジナルな感想を抱ける醍醐味。
何といっても、原作を読むのは最高です。
読みながら頭の中に場面がくっきり浮かび上がる本。
一つ一つの言葉が染み入る本。
衝撃と感動でしばらく呆けてしまう本。
本はいろんな世界に自分を連れて行ってくれます。
世の中には、様々な「幸せ」がありますが
体力のある若いうちに、たくさんの本と出会えたことは
私にとって大きな「幸せ」でした。
読書好きになるかどうかは、小さい頃からの習慣が影響するようです。
読み聞かせをしてあげるのも良いと思いますし
何よりお母さん、お父さんが楽しそうに本を読んでいる姿が
本への世界を開く入り口になるのではないかと思います。
今は、電子書籍で字を拡大して読めたり
「小さすぎて字が読めない」人のためのルーペもありますから
一気に読み上げる、あの楽しさは味わえないけれど
ちびちびと「本を読む幸せ」を噛みしめたいと思います。