2019.04.18あかちゃんのこと

離乳食を食べない理由を考えよう~その4~

ブログ更新がずいぶん遅くなりました(-_-;)

今回は、赤ちゃんの哺乳の様子についてみていきます。

 

実は、赤ちゃんは胎児の頃から、すでに哺乳の準備をしています。

指なめや嚥下動作は妊娠12週頃には始まっていて

①舌や筋肉を使って羊水を口の中に溜める(咀嚼機能)

②「ごっくん」と飲み込む(嚥下動作)

という一連の動作の基礎を

長い時間をかけて、少しずつ練習していくわけです。

28週頃には指を吸う(吸啜)ことも始めます。

<哺乳期の口腔と咽頭の形態>

新生児の口腔は容積が小さく、お乳を飲みやすい形態になっています。

①吸啜窩
  上顎には、将来、歯が萌えてくる歯槽堤しそうていとその内側の副歯槽堤があります。
  副歯槽堤があることで、口蓋の中央に吸啜窩というくぼみが形成されます。
  赤ちゃんは、吸啜窩に乳首を引き込んで固定することで、安定した吸啜が
  出来ます。
②脂肪床
  頬の内側の脂肪でできた膨らみをビシャの脂肪床といいます。
  舌と脂肪床で、上下の歯槽堤のすき間を埋め密着させて陰圧を作ります。
③顎間空隙
  顎を閉じたとき、上下の前の歯槽堤の部分にすき間が空いていて
  乳首を潰さないようにくわえることができます。
④気道と食道の分離
  赤ちゃんは喉頭の位置が高く、喉頭蓋と口蓋垂は接近しています。
  気道は食道と分離され、おっぱいは口腔から直接食道へ送り込まれます。

 

わかりやすく言うと、

赤ちゃんの気道(空気の通り道)は大人より高い位置にあるので
おっぱいは気道に流れ込むことなく、食道に送られます。
大人は口の中で、水をひとかたまりにまとめてから
息を止めてごくっと飲み込みます。
赤ちゃんのように鼻呼吸を続けながら飲むことは出来ません。

赤ちゃんに特徴的な口腔の形態は、成長とともにどんどん変化します。
下顔面の成長とともに咽頭腔が拡がり、喉頭の位置も下がっていき
嚥下の動きは「乳児嚥下」から「成人嚥下」へと変化していきます。

<哺乳行動>

哺乳は、原始反射を使って行われます。
(※原始反射:生まれながらに備わっており意志と無関係に反射的に起こる動き)

①吸啜反射 
 口腔内に入ってきた乳首や指を舌で包み込んで引き込み吸う反射
②口唇探索反射 
 頬や口の周囲に触れるとその方向へ顔を向け吸い着こうとする反射
③咬反射 
 歯槽堤の奥(臼歯部相当部)にものが触れると、顎をかみしめる反射
(のちの咀嚼運動につながる動き、
 異物が口腔内に入るのを阻止する動きであるともされる)

これらの哺乳反射によって
舌が前後にしごくように動いて効率よくおっぱいを飲むことができます。
この頃の嚥下が、顎を開け、口腔内の奥まで乳首を引き込み
顎を開けたまま嚥下する「乳児嚥下」とよばれる動きです。

赤ちゃんは唇と舌と顎が一緒に動きます(一体動作)
やがて成長すると食べ物が口に入ると唇を閉じ
舌は食べ物が奥歯に乗るように動き
顎は食べ物をすり潰すために回旋運動をします(分離動作)

乳首を口蓋と舌でしっかりと固定するには、下顎が固定されなくてはなりませんが
赤ちゃんは咬反射によっておっぱいを飲む時に噛み込みをしています。
噛み込むために必要な「咬筋」や「側頭筋」は骨格筋で
自分の意志で収縮させることのできる随意筋です。
はじめは反射を使って哺乳をしていますが
そこでしっかりと「咬筋」や「側頭筋」を鍛えることが
のちの「形のある食べ物を噛む力」のトレーニングとなっています。

大脳の発達とともに随意運動ができるようになると、哺乳は自律哺乳となります。
哺乳反射は、生後4~7か月頃には消失します。

5か月くらいで、急に哺乳量が減ることがあります。
今まで反射で飲んでいたものが、
自分の意志を持って飲む・飲まないを決めるようになるからです。
体力を使えば、お腹も減りますし、睡眠もたっぷり必要になります。
お腹が空く感覚がしっかりわかるためにも
腹ばいでの運動、手遊び足遊びなど
たくさん身体を使う機会を作ってあげましょう。

 

前置きが長くなりました(-_-;) まとめましょう。

離乳食が順調に進んでいくためには、哺乳が大切だということです。

新生児期に「哺乳、乳児嚥下をしっかり行うこと」

次に始まる「咀嚼(かむ)」から「嚥下(飲み込む)」に向けた

トレーニングになり、指令を出す脳へのトレーニングにもなります。

 

哺乳の時は、上下の唇が内側に巻き込まれていないか確認しましょう。
※ドナルドダックもしくは朝顔の形と言われます

①口を大きく開けて深く乳首をくわえさせましょう
(おっぱいをたくさん飲め、乳首も傷つきにくい)
②しっかりと顎を動かし運動量の多い飲み方をさせましょう
(口周りの筋肉を鍛える)

 

これは、哺乳ビンを使う場合も同じです。

咬合型ニプルを使うと

「舌を動かす筋肉」
「唇を動かす筋肉」
「顎を動かす筋肉」

を使って、ミルクを飲むことが出来ます。

ニプルの中に弁がつけられているので

赤ちゃんが歯茎で噛むことでミルクが出る仕組みです。

顎の上下運動と同調する嚥下運動が見られ乳房哺乳と同じ効果が得られます。

つまり、乳房から母乳を飲む時と同じ効果が得られるわけです。

(咬合型ニプルでうまく飲めない場合
 お口が上手く使えていないかもしれません)

 

乳房から直接母乳を飲むことは、単に母乳の成分だけではなく

「口腔機能を発達させる」という観点からも、とても重要です。

おっぱいの分泌量には個人差があります。

いろんな努力をしても、母乳の量が少なくて

つらい思いをしているママもいらっしゃいます。

でも、たとえ、すべて母乳でまかなえなくても大丈夫です。

母乳1:粉ミルク9でも良いですから

細く長く、できるだけ母乳を吸わせてあげましょう。

そして、筋肉をしっかり使った哺乳が出来るニプルを使ってあげましょう。

 

次回は、離乳食について見ていきます。

(ようやくたどり着きました💦)

「口腔や顎を育てるにはハイハイが重要である」ことや

「姿勢や運動」が発達に与える影響についてもみていきましょう。

 

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