2019.06.14あかちゃんのこと
離乳食のすすめ方~離乳開始の時期~
離乳食シリーズの続きです。
そもそも「離乳」の定義はどうなっているのでしょうか。
厚生労働省研究会による
(以下、ガイドラインと記載)
離乳とは、成長に伴い、母乳又は育児用ミルク等の乳汁だけでは不足してくる
エネルギーや栄養素を補完するために、乳汁から幼児食に移行する過程をいい、
その時に与えられる食事を離乳食という。
注)離乳の完了は、母乳または育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではない。
注)WHO では「Complementary Feeding」といい、いわゆる「補完食」と訳されることがある。
開始時期の子どもの発達状況の目安としては、
①首のすわりがしっかりして寝返りができる
②5秒以上座れる
③スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる(哺乳反射の減弱)
④食べ物に興味を示す・・・などがあげられる。
その時期は生後5~6か月頃が適当である。
ただし、子どもの発育及び発達には個人差があるので、月齢はあくまでも目安。
とされています。
私が子育てしていた30年前は
「生後1か月頃から薄めたお茶、2~3か月で薄めた果汁を始めましょう」
「4~5カ月頃から離乳食を始めましょう」
という指導が行われていました。
う~ん。あれは何だったんだって感じですが・・・
とりあえず、今は、果汁や果物は少なくとも6カ月以降の開始とされています。
(アメリカ小児科学会では1歳からが推奨されているようです)
ガイドラインでは、離乳食は5~6カ月から。
でも、一ヶ月って、結構幅があります
WHOの推奨では、補完食は6カ月から。
でも、日本の環境がそっくり当てはまるわけではありませんし
食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はない(ガイドライン)
とされていますから、必ずしも、6カ月より早いとダメという訳でもないようです。
いったい、いつから始めるか、悩ましいところですね。
赤ちゃんが、子宮の中で蓄えた母体由来の鉄は、生後半年ほどで、ほぼなくなり
それ以降、食事由来の鉄が少ないと、欠乏性貧血になってしまうことがあります。
離乳食から鉄分を摂取するためには、少し早めに開始して、離乳食に慣れさせ
食事からの鉄分を摂れるように準備しておくのも良いかもしれません。
ということは、間をとって、5か月半くらいが適切でしょうか。
(もちろん、母乳やミルクは欲しがるだけ飲ませてOKです)
赤ちゃんは、いろいろな予備練習を積み重ねながら
身体の軸を作り、体幹や四肢の筋肉を鍛え、最終的に歩行する力を育てます。
子宮の中で、指しゃぶりや羊水を飲み込んで、お乳を飲む練習。
生まれたら、口だけでなく首やからだ全体を使ってお乳を飲むことで
いろいろな筋肉を強くするトレーニング。
指や手しゃぶり、口に触れたタオルや服などをなめる遊びで
吸啜反射や敏感な口の感覚をゆるめて、お乳以外の食べ物を食べる練習。
「唇」「舌」「顎」などの動かし方を覚えて、声を出す練習。
そして、「食べる力」は、運動発達と密接に関係しています。
なので、こどもの運動発達レベルを無視して
月齢だけで離乳食を進めるのは無理があります。
口腔機能の発達が不十分で、離乳食を舌で押し出す場合は早すぎます。
離乳食の開始は、ガイドラインの離乳開始の目安のほかに
- ・よだれが増える
- ・授乳などの生活リズムが整う
- ・体調がよく、機嫌がよい
- ・順調に体重増加している
- ・まとまった量の乳が飲める力がつく(一度に200mlが目安)
-
- なども見ていきながら、総合的に決めましょう。
では、次回からは
「離乳食の始まるまでにしておくと良い取り組み」
「離乳食を進める時に気をつけたいこと」
「はいはいの重要性」などについて考えていきます。