2017.05.21助産師のはなし
あるお産~その2~
今から、約60年前の、昭和30(1955) 年に
産まれた赤ちゃんの数は、173万692人でした。
平成27(2015)年は、100万5677人。
そして、平成28(2016)年には、
とうとう百万人を割り込み
98万1000人と推計されています。
日本の未来にとって少子化は
待ったなしの課題ではありますが
今日の話題はそちらではなく
日本の医療の素晴らしさです。
聞き慣れない言葉が出てきますが
我慢して、ちょっとだけお付き合い下さい。
厚生統計では
周産期死亡=(妊娠満22週以後の死産)+(早期新生児死亡)
出産数=(出生数)+(妊娠満22週以後の死産数)
周産期死亡率=1000×(年間の周産期死亡数)/(年間の出産数)
早期新生児=生後7日未満
新生児=生後28日未満
と定義されています。
平成27年の周産期死亡は3728
(内訳:妊娠満22週以後の死産数3063胎
早期新生児死亡数665人)
周産期死亡率は3.7となっています。
ちなみに、
昭和30(1955) 年の新生児死亡は3万8646人。
平成27年(2015)年は、902人です。
60年で、ほぼ43分の1まで激減したことになります。
わが国の人口動態によると
日本の2014年の周産期死亡は
1,000人当たり2.5人です。
(妊娠満22週以後の死産1.8人+早期新生児死亡0.7人)
アメリカ⇨1,000人当たり6.3人、
フランス⇨11.8人、
イギリス⇨7.0人、
ドイツ⇨5.4人
と比較すると
日本の周産期死亡率は
非常に低いということがわかります。
また、2014年の日本の新生児死亡は
1000対で0.9人となっています。
これを100対の率に直すと0.09%になります。
生まれてきた子どもが
出産直後から生後4週間未満で死亡してしまう確率は、
1,000人に1人いるかいないかということです。
妊産婦死亡の少なさも含め
日本はずいぶん安全に、妊娠・出産できる国です。
けれども、
本来、妊娠・出産が危険を伴うものだということは
案外、忘れられているようてす。
世界中を見渡してみても
少し前の時代を振り返ってみても
この世に生を受けることは
決して当たり前ではないことを
知っておくことは大切です。
そんな、時代背景を踏まえた上で
深見先生の宿題について考えてみたいと思います。