2017.10.30研修会のはなし

愛着障害と発達障害➊

 公益社団法人日本助産師会 近畿地区研修会

和歌山大学教育学部教授 米澤好史さん

「愛着障害の理解と愛着の問題を抱える子供への支援」

のお話しのまとめです。

 

0~2歳ごろに気になる

「視線が合わない」

「言葉が遅い」

「偏食」

「落ち着きがない」

このような子供に多いと言われる、発達障害と愛着障害。

症状がかなり似ていて、混同されやすい障害です。

(もしかして、ちゃぶ台返しのおやじって・・・!?)

 

発達障害は『脳機能障害』

「広汎性発達障害」

「学習障害(LD)」

「注意欠陥多動性障害」

の3種類に分類されています。

自閉症やアスペルガー症候群は広汎性発達障害に含まれます。

 

愛着障害は『不適切な養育が原因の障害』

「抑制型」と「脱抑制型」に分類されています。

 

ところで、愛着とはなんでしょうか。

「特定の人(親とは限らない)と結ぶ、情緒的なこころの絆」

を「愛着」といい、専門用語で「アタッチメント」といいます。

子どもは養育者と生活していく中で、養育者との愛着を深めていきます。

この愛着を土台に、子どもは成長していくので

養育者と子どもの愛着形成は、子どもの発達に不可欠です。

何らかの理由、たとえば虐待や養育者との離別が原因で愛着形成されず

子どもの情緒や対人関係に問題が生じる状態のことを「愛着障害」といいます。

 

 

さて、ここで、ちょっとブレイクタイム。

米澤先生からのクイズです。

「親子関係のウソ・ホント」 改訂版から抜粋(2015米澤)

の文章は、〇でしょうか。×でしょうか。

考えてみてください。

落ち着きのない子どもには、動き回ってはいけないと、その都度叱るのがいい

人間関係に問題を抱える子どもは、できるだけ早く集団に入れて慣れさせたほうがいい

子どもの非行化と関係があるのは、母親の就労率や家族構成(両親⇔ひとり親など)である

母親が子どもと一緒にいる時間が長いほど、子どもにはいい影響を与える

母親の育児不安は、父親の育児参加程度と関係がある

子どもの社会的発達や探求心に影響を与えるのは父親の方である

生後1歳6か月くらいまでの育てられ方の影響は強く、大きくなってからは取り返せない

親は自分が自分の親に育てられたようにしか子どもを育てられない

 

さて、どうでしたか?

答えは、すべて×=「間違い」だそうです。

私は、「え~。〇じゃないの!?」と思った文章もありました。

次回、解説します。

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