2018.02.03研修会のはなし

最新不妊治療❷

お待たせしました

前回、長い前置きのせいで

繰り越してしまった研修会のレポート。

最初に、田辺保健所の母子保健担当 東登紀子さん

『不妊治療費助成事業と申請状況について』

を、お伝えします。

 

まずは、基礎知識の復習から。

「不妊」とは

「妊娠を望む健康な男女が避妊をしていないのに

1年間妊娠しないもの」と定義されています。

(日本産婦人科学会)

 

不妊の一般不妊治療には

「タイミング法」「ホルモン療法」「人工授精(AIH・AID)」

があります。

人工授精は「精子を人工的に女性の子宮内に注入する」方法で

卵管膨大部までたどり着く精子の数を増やすことで

妊娠の確率を上げます。

次に、特定不妊治療には

「体外受精IVF)」「顕微授精(ICSI)」があります。

体外受精は「精子と卵子を採取し、体外で受精させる」方法です。

体外受精で受精卵(胚)が得られたら

ある程度の成長段階まで培養した「胚移植」を子宮に戻します。

顕微授精も

「体外で得られた受精卵を子宮に戻す」

という点では体外受精と同じです。

ただし、精子と卵子を培養液に入れて

「自然に受精するのを待つ」体外受精に対して

顕微授精は、顕微鏡とガラス針を用いて

卵子と精子を人工的に授精させます。

 

ちなみに、人工授精と顕微授精は『授』という漢字で

体外受精は『受』という漢字です。

精子を子宮、又は卵子の中に人工的に入れるのは「授精」

精子と卵子が出会い結合するのは「受精」と、違いがあるためです。

日本語、難しい

 

ご存知のように、不妊治療にはお金がかかります。

人工授精、体外受精、顕微授精は

自由診療扱いなので、保険が効かないからです。

 

そのため、特定不妊治療には助成金の支給があります。

対象となる方や助成内容、その他条件については

和歌山県のこうのとりサポートを参照して下さい。

田辺保健所の平成28年度の助成申請件数は

年間90件を超え、平成22年度の2倍だそうです。

 

また、申請者からの意見として

・交通費の助成
・助成金の増額
・広報不足の改善
・所得制限・回数制限の緩和

などの希望以外に

「妊娠出産に適齢期があることを知らなかった」
「若い時に知りたかった」
「若い世代にはぜひ伝えて・・・」

という言葉がありました。

 

6組に1組のカップルが「不妊」で

不妊治療は年に「40万件」を超え

「20人に1人」が、体外受精および顕微授精で

生まれている現在の日本。

 

次回は、特定不妊治療指定医療機関である

うつのみやレディースクリニック

院長 宇都宮智子医師の講義

『最新不妊治療と第2子不妊への対応』

について、レポートします。

 

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