2018.02.03研修会のはなし
最新不妊治療❷
お待たせしました
前回、長い前置きのせいで
繰り越してしまった研修会のレポート。
最初に、田辺保健所の母子保健担当 東登紀子さん
『不妊治療費助成事業と申請状況について』
を、お伝えします。
まずは、基礎知識の復習から。
「不妊」とは
「妊娠を望む健康な男女が避妊をしていないのに
1年間妊娠しないもの」と定義されています。
![](https://arashi-josanin.com/wp-content/uploads/2018/01/ninshin_couple_no.png)
不妊の一般不妊治療には
「タイミング法」「ホルモン療法」「人工授精(AIH・AID)」
があります。
人工授精は「精子を人工的に女性の子宮内に注入する」方法で
卵管膨大部までたどり着く精子の数を増やすことで
妊娠の確率を上げます。
![](https://arashi-josanin.com/wp-content/uploads/2018/01/body_icon11_shikyu.png)
次に、特定不妊治療には
「体外受精IVF)」「顕微授精(ICSI)」があります。
体外受精は「精子と卵子を採取し、体外で受精させる」方法です。
体外受精で受精卵(胚)が得られたら
ある程度の成長段階まで培養した「胚移植」を子宮に戻します。
顕微授精も
「体外で得られた受精卵を子宮に戻す」
という点では体外受精と同じです。
ただし、精子と卵子を培養液に入れて
「自然に受精するのを待つ」体外受精に対して
顕微授精は、顕微鏡とガラス針を用いて
卵子と精子を人工的に授精させます。
![](https://arashi-josanin.com/wp-content/uploads/2018/01/jyusei-img01.jpg)
ちなみに、人工授精と顕微授精は『授』という漢字で
体外受精は『受』という漢字です。
精子を子宮、又は卵子の中に人工的に入れるのは「授精」
精子と卵子が出会い結合するのは「受精」と、違いがあるためです。
日本語、難しい
ご存知のように、不妊治療にはお金がかかります。
人工授精、体外受精、顕微授精は
自由診療扱いなので、保険が効かないからです。
![](https://arashi-josanin.com/wp-content/uploads/2018/01/money_fly_yen.png)
そのため、特定不妊治療には助成金の支給があります。
対象となる方や助成内容、その他条件については
和歌山県のこうのとりサポートを参照して下さい。
![](https://arashi-josanin.com/wp-content/uploads/2018/01/zinken02.gif)
田辺保健所の平成28年度の助成申請件数は
年間90件を超え、平成22年度の2倍だそうです。
また、申請者からの意見として
・交通費の助成
・助成金の増額
・広報不足の改善
・所得制限・回数制限の緩和
などの希望以外に
「妊娠出産に適齢期があることを知らなかった」
「若い時に知りたかった」
「若い世代にはぜひ伝えて・・・」
という言葉がありました。
![](https://arashi-josanin.com/wp-content/uploads/2018/01/life_wakaremichi_businesswoman.png)
6組に1組のカップルが「不妊」で
不妊治療は年に「40万件」を超え
「20人に1人」が、体外受精および顕微授精で
生まれている現在の日本。
次回は、特定不妊治療指定医療機関である
院長 宇都宮智子医師の講義
『最新不妊治療と第2子不妊への対応』
について、レポートします。