2017.03.24あかちゃんのこと

まるまる育児について

子宮(羊水)の中は浮力と重力が釣り合っているため
胎児は、ほぼ無重力の状態で過ごしています。
そのため、生まれてすぐの赤ちゃんは、外界の重力に適応していません。
また、ヒトの赤ちゃんは、他の哺乳類に比べ未完成で生まれてきます。
筋肉は低緊張で、姿勢を保つための十分な質と量が備わっていないのです。

***

「首のすわる前の赤ちゃんは、
体の中で一番重い頭を支えるだけの筋肉や骨がまだ十分に育っていません。
首が据わる前から縦抱きにすると、重い頭や胴体を支えようとして、
未熟な腹筋や背筋に力が入りすぎて体が緊張します。
この緊張を続けていると、体に「反り」や硬さとなって現れることがあります。
赤ちゃんの発達にそくした抱き方をすることが大切です」

『 発達がわかれば子どもが見える 』 より抜粋
田中真介 京都大学准教授 監修
乳幼児保育研究会 編著

***

生まれたばかりの赤ちゃんの背骨はCカーブ。
成長するにしたがって、背骨のS字状彎曲が出来てきます。
S字状彎曲を育てることで、身体の軸(骨格)が整って、
しなやかな筋肉(体幹が安定)が育ちます。

「反り返り」や「向き癖」のある赤ちゃんは、

・からだにねじれがあるので抱きにくいと感じます
・おっぱいがうまく飲めないことがあります
・眠りが浅くなります
・抱っこでないと眠ってくれません
・ぐずぐずと泣き止みません

など、困りごとがでてきます。

***

「まるまる抱っこ」「まるまるねんね」育児をすると

・赤ちゃんが胎外生活になじみやすくなります
・赤ちゃんの背骨のS字状彎曲を育てます
・赤ちゃんの姿勢が安定し、お世話がしやすくなります
・赤ちゃんが安心してスヤスヤ眠ります
・無駄な泣きをしないのでお母さんが育児に自信を持てます

***

まるまる抱っこのお約束は3つ

・背中は丸く抱きます
・手足を曲げます
・胴体をねじりません(体軸をそろえます)

肩の力を抜いて、脇を縮めて赤ちゃんと密着するように抱っこしましょう。
授乳の時も、寝かせる時も、まるまる姿勢を保ちましょう。

反り返りや、向き癖の強い赤ちゃんのお母さんは、お母さん自身がつらい体であることも少なくありません。
つらい体で毎日を過ごしていると、つらいことにも気づけない方もいらっしゃいます。
お母さんの体がゆがんでいたり、硬かったりすると抱っこや授乳もうまくできないことがあります。

お母さんが、まるまる育児ができる体であることが大切です。

Page Top 診療予約・お問い合わせ