2018.10.07あかちゃんのこと
赤ちゃんの頭のゆがみ~その2~
平成28年度、SIDSで亡くなった赤ちゃんは全国で109名。
乳児期の死亡原因としては第3位となっています。
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SIDSは原因不明とされていて、あおむけ寝でも起こりますし
うつぶせ寝が直接的な原因というわけではなく
なぜ、うつぶせ寝がSIDSのリスクを高めるかは不明です。
SIDSの8割は生後6ヶ月までに起こります。
特に、最初の6ヶ月間は危険因子に気をつけて育児をしましょう。
- あおむけ寝で育てよう
- タバコをやめよう
- できるだけ母乳で育てよう
- 赤ちゃんを暖めすぎないようにしよう
- なるべく赤ちゃんをひとりにしないで
(NPO法人 SIDS家族の会HPより引用)
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うつぶせに寝かせないことによって、乳幼児の命が守られるのであれば
それはとても大切なことです。
ですが、「うつぶせ寝をしない」ということを守りつつ
「頭の変形も防ぐ」ということを意識することも大切です。
位置的頭蓋変形は、ずっと同じ姿勢で寝かせることが主な原因です。
赤ちゃんのほとんどは、生まれてから、いろいろな姿勢にさせておけば
自然と丸くて対称的な頭の形になる傾向にあります。
しかし、自分で寝返りを打つことが出来ない赤ちゃんを
ベッドやベビーカーなどの硬い表面で、日常的に仰向けで寝かせていたり
利き腕(またはその反対側の腕)ばかりで赤ちゃんを抱っこしていると
いつも一定の場所に偏った圧力が加わります。
![](https://arashi-josanin.com/wp-content/uploads/2018/10/akachan_bed.png)
向き癖がある場合は、反り返りもしやすく
左右どちらかに、よりゆがみが出やすくなります。
一旦変形してしまうと、扁平になった方を下にする方が安定するので
ずっと同じ向き癖の方向で寝続けることになり
ますます変形を助長させてしまうことになってしまいます。
頭の変形は、発達遅延との関連性も指摘されているようです。
(厚生労働省 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会参照)
また、脊柱側弯症・顔面変形・歯列異常・頭痛・顎関節症など
さまざまな問題を引き起こしかねません。
![](https://arashi-josanin.com/wp-content/uploads/2018/10/infants_scoliosis-400x221.jpg)
(日本側弯症学会編集、側弯のしおり『知っておきたい脊柱側弯症』より引用)
「位置的頭蓋変形症」は、ほうっておいて、自然に治るものではありません。
変形が強い場合、日本ではまだ、馴染みが少ないかもしれませんが
「ヘルメット療法」という治療法があります。
たとえば、大阪では
大阪市立総合医療センター、高槻病院などが
「赤ちゃんの頭の形外来」を開設しています。
けれども、歯列矯正と同じで、費用がかかりますし
なにより、ヘルメット装着は赤ちゃん自身にも負担となります。
つまり、予防が大切です。
赤ちゃんが生まれたら、SIDS予防を行いつつ、頭のゆがみも予防しましょう。
次回は、「位置的頭蓋変形症」の予防方法をお伝えします。