2022.11.07あかちゃんのこと
赤ちゃんのスキンケア①~赤ちゃんの肌~
早いもので、もう11月(霜月・しもつき)です。
本日は二十四節気の立冬ですね。
気温が低いと、空気に含める水分量が減るため、
秋から冬にかけては空気は乾燥します。
もちろん、お肌も乾燥(*_*)
先日、赤ちゃんのお肌について
WEBフォーラムを受講する機会がありました。
乾燥する季節を迎える11月なので
赤ちゃんのスキンケアについてまとめてみます。
赤ちゃん皮膚の特徴
みずみずしいツヤツヤお肌の印象が強い赤ちゃん。
乾燥とは、ほど遠いイメージですよね。
でも、実は赤ちゃんのお肌は乾燥しやすいのです。
赤ちゃんの表皮の厚みは薄く、大人の半分。
水分量は大人の2/3で、皮脂は1/2だそうです。
水分も皮脂も少なく、バリア機能も未熟。
特に注意したいのが生後3カ月以降の肌。
生まれたばかりの赤ちゃんの肌は「胎脂」で守られています。
胎脂がなくなってからしばらくは、
特に顔や前額部は皮脂分泌が多いのですが
生後3カ月頃を過ぎる頃になると
母親からもらったホルモンが減少し、
皮脂分泌が少なくなり、肌が乾燥しやすくなります。
赤ちゃんの肌は大人と比べて乾燥しやすい
とてもデリケートな肌なのです。
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皮膚は「ヒトの身体の防御壁」という
とても大切な役割をしています。
防御壁にあたるのは表皮にある「角層」です。
角層はブロック塀のような構造で
「保湿成分」で満たされています。
皮膚の外側は「皮脂膜」で覆われています。
※皮膚の一番外側に表皮があります。
その表皮のいちばん上の「角層」に
「皮脂膜」
「天然保湿因子(NMF)」
「細胞間脂質」
という3つの「保湿因子」があります。
この角層が、肌のバリア機能において大きな働きをしています。
皮膚のバリア機能とは
体内の水分が蒸発するのを防いだり
紫外線や摩擦、乾燥などの外部刺激や
異物の侵入から肌を守る役割のことです。
バリア機能の未熟な赤ちゃんの肌は
いろいろなダメージを受けやすく
肌トラブルを引き起こす可能性も高いわけですね。
よだれや涙を拭き取ったりする時にも
肌は摩擦によって刺激を受けている状態なので、
日々のスキンケアが特に大切です。
![](https://arashi-josanin.com/wp-content/uploads/2022/11/akachan_omutsu-225x300.png)
とくに乾燥状態の肌は刺激を受けやすい状態。
潤いのある健康な肌と比べて
湿疹などのトラブルが起きやすくなっています。
乾燥した肌が炎症を起こすと
「皮脂欠乏性湿疹」「接触性皮膚炎」
などの乳児湿疹や
アトピー性皮膚炎を発症しやすくなります。
湿疹部位からアレルゲンが侵入すると
経皮感作を起こし
アレルギーマーチの起点になるのでは?
と考えられています。
バリア機能の低下によって生じる皮膚炎は
適切なケアや治療を行わないと
症状が長引くこともあります。
保湿だけで効果のない場合は
小児科や皮膚科で診てもらいましょう。
(アトピー性皮膚炎もバリア機能が低下した状態。
ただし発症の原因が多様で
詳しい原因はまだ明確になっていません)
赤ちゃんのスキンケア
スキンケアの基本は「洗浄」と「保湿」です。
皮膚の汚れを取り除き
雑菌などが繁殖しないよう清潔にしましょう。
![](https://arashi-josanin.com/wp-content/uploads/2022/11/akachan_mokuyoku-300x300.png)
石鹸をよく泡立てる
手指を使って泡で汚れを浮き上がらせながら
ゴシゴシこすらず丁寧にやさしく洗いましょう。
石鹸成分が皮膚に残らないよう
しっかり洗い流しましょう。
お風呂のお湯の温度は、38~39℃が目安。
40度以上のお湯は皮質を除去しすぎて
皮膚がふやけてしまうことによって
肌のうるおいを保つ成分である
角質細胞間脂質・天然保湿因子が奪われて
乾燥を招くおそれがあるとといわれています。
清潔なタオルで、こすらず押さえ拭きで。
お風呂上りは、とても乾燥しやすい状態。
出来れば時間をおかず、5分以内くらいを目安に
保湿してあげることが大切です。
赤ちゃん用の石鹸について~形状と成分~
<固形>
化学成分無添加の商品も多く、赤ちゃんの肌にやさしい。
タオルやネットで泡立てるのに時間がかかる
浴室に置くと溶けてしまうことがある
<液体>
水で薄まることを考慮して作られており、液が濃いめで、そのままお肌につけると肌荒れの原因になる場合がある
固形石鹸にくらべて保管しやすい
<泡>
泡立てる手間を省ける
<弱酸性>
・一般的なボディソープに多い
・お肌と同じ弱酸性の洗浄剤は
洗浄力がおだやかで皮脂を落とし過ぎない
・泡立ちをよくするため合成界面活性剤が使われている場合が多い
・洗浄成分などが肌に残ると肌荒れを起こす場合がある。
<アルカリ性>
・石鹸は、動植物油脂から出来ている弱アルカリ性である
・石鹸の洗浄成分が酸性の皮脂に触れることで中和して汚れを落としやすくする
・石鹸の界面活性作用は水に薄まると失われていく性質があり、洗浄成分が赤ちゃんの肌に残りにくく肌のトラブルを引き起こしにくい。
※弱アルカリ性の石鹸で洗ってお湯ですすぐと、赤ちゃんの肌はアルカリ性に傾き、そのあと酸性の皮脂や汗が分泌を始めて弱酸性の肌に戻るので、もともと弱酸性の肌に対してアルカリ性の洗浄剤を使っても問題がない。
実際の保湿ケアのやり方については次回に・・・。